おはようございます!こんにちわ!こんばんわ!ムッシュです! 今回は「基本給を上げずに賃上げする方法」というテーマを語っていきます!
昨今の物価高や人手不足の影響で、「社員やスタッフに還元してあげたい!」「賃上げしてあげたいけれど、基本給を上げるのは正直リスクが高くて怖い…」と頭を悩ませている経営者や事業主の方も多いのではないでしょうか?
一度基本給(ベースアップ)を上げてしまうと、万が一業績が悪化したときでも簡単に下げることができないのが日本の労働法の厳しいところですよね。
そこで今回は、会社のリスクを最小限に抑えつつ、従業員へしっかり還元するための「基本給を上げずに賃上げする方法」と、知っておくべき法律上の注意点について分かりやすく解説していきます!
あくまで良いのはベースアップですが、それに至るまでの前段階としてこういう方法もありますよという思いで綴ってます。主に既存の社員たちに少しでも豊かな生活を送ってもらいたいけど、会社の将来的に不安だし業績が悪くなった時を考えると賃上げできないという心優しき経営者の方々には是非読んでいただきたいですね
1. なぜ「ベースアップ(基本給アップ)」はリスクが高いのか?
企業(特に中小企業や個人事業)が基本給の引き上げに慎重になるのには、明確な理由があります。
- 一度上げた基本給は下げるのが極めて困難(不利益変更の禁止)労働契約法上、業績が悪化したからといって会社の一方的な都合で基本給を下げるのは原則認められません。(労働者の同意が必要です)
- 残業代や退職金、社会保険料まで一気に跳ね上がる基本給が上がると、それに連動して「割増賃金(残業代)の単価」や「退職金の算定基準」も上がり、人件費全体が固定費として重くのしかかってきます。
「従業員のために」と無理をしてベースアップを行うと、将来の不景気時に会社そのものが傾いてしまうリスクがあるわけです。将来なんて何もわからないのが世の常です。事実上のやり直し不可であるベースアップにしり込みする事業主の方かなり多いのではないかと思います
2. 基本給を上げずに還元する手法:「寸志(一時金)」の活用
そこで有効な選択肢となるのが、「寸志(すんし)」を活用した賃上げです。
「ベースアップをせずに寸志で賃上げ対応するのは違法じゃないの?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、結論から言うと全く違法ではありません!(最低賃金を下回らない前提です)
寸志や一時金をうまく活用することで、以下のような柔軟な還元が可能になります。
① 業績に連動させた不定期の寸志支給
「今回のプロジェクトの業績が良かった」「過去〇ヶ月間の成果が出た」というタイミングで、基本給とは別に寸志として還元する方法です。
業績が良いときだけスポットで還元できるため、固定費化するリスクを避けることができます。
② 決算手当やインフレ手当(一時金)としての支給
毎月の給与に組み込むのではなく、「物価高対策の臨時一時金」として一括支給する方法です。従業員にとってもまとまった臨時収入となり、喜ばれやすい還元方法です。
③賞与ではダメ
中には賞与でいいじゃないかと思われた方もいるはずです。しかし賞与の場合は就業規則に時期や金額・算定方法などを明記し支払う義務が生じます。もし支払わなかった場合は労基法違反になります。
寸志と賞与であれば会社側の自由度は寸志の方がはるかに高い
会社側は社員への還元は十分にできるが支払い義務は負わなくても良いのです
④金額は自由に決められる
寸志と聞くと少額のイメージかもしれませんが金額の上下限はありません。
3. 寸志で賃上げする際に気を付けるべき「3つの法的注意点」
寸志を使った賃上げは非常に便利ですが、運用の仕方を間違えると思わぬ労務トラブルや違法状態(残業代未払いなど)につながる恐れがあります。以下の3つのルールは必ず押さえておきましょう!
① 「毎月」支給すると「歩合給(毎月の給料)」とみなされるリスク
ここが一番の落とし穴です!
「寸志」という名目であっても、毎月のようにあるいは定期的に支給し、かつ「売上〇万円につき〇円」といった明確な計算式で機械的に支払っている場合、労働基準監督署や裁判所からは「寸志(一時金)」ではなく「実質的な歩合給(出来高払制の毎月の給与)」と判断されてしまいます。
歩合給とみなされると、残業代(割増賃金)の計算基礎に含めなければならなくなるため、「寸志だから」と外して計算していると残業代の未払い(労基法違反)が発生してしまいます!
> 💡回避策:毎月機械的に払うのではなく、不定期なプロジェクト完了時など、明確に「一時金」とわかる間隔・タイミングで支給するのが安全です。
② 「最低賃金」のチェックを忘れない
寸志や一時金は、都道府県が定める「最低賃金」の計算対象からは除外されます。
そのため、「基本給+対象手当」だけで計算した時給換算額が地域の最低賃金を下回っている場合、「寸志を合わせたら最低賃金を超えているからOK」という言い分は通りません。基本給部分は必ず最低賃金以上をキープしましょう。
③ 就業規則に「不支給条項」を明記しておく
常時10人以上の従業員がいる会社で寸志制度を設ける場合は、就業規則(賃金規程)への記載が必要です。
その際、「会社の業績や個人の勤務成績により、支給額を増減し、または支給しないことがある」という不支給条項(但し書き)をしっかり記載しておきましょう。これがないと、業績が悪化した際にも「支給するのが当たり前」とみなされ、不支給にできなくなるリスクがあります。
これを書いていたとしても①のように労働者側が「定期的」にもらえると思ってしまわれるようなことをすると危険です
④社会保険料や税金などの算定には使われる
そのままですが寸志にしたからといって社会保険料や税金の計算には使われるため、その負担は増します
⑤算定式がずっと同じ
寸志の金額の決め方がトップがお気持ちで何となくの金額で渡すのもいいかもしれませんが、ちゃんと部署や個人を評価して渡したい場合は算定式が必要です。
しかし売り上げの〇〇%という感じでずっとしていると寸志という意味合いからは外れます。ある程度経ったら見直しをすることを推奨します
⑥社員側にとっては微妙かも
寸志は会社側にとっては非常に便利ですが、社員側にとってはいつ・いくらもらえるかもわからない寸志はアテにするには心もとないものです。寸志をもらえること自体は喜んでもらえると思いますが過剰な期待はしない方が良いでしょう
冒頭でも述べたように本格的なベースアップに備えて実際賃上げしても大丈夫かを判断するための手段として使うのが正しいかと思いますね
具体的な方法
賃上げに困っているのは小規模事業主だと思いますので
「会社は、業績その他の事情を勘案し、従業員に対して臨時に寸志を支給することがある。寸志の支給の有無、支給時期、支給対象者および支給額は会社がその都度決定し、支給実績の有無を問わず将来の支給を保証するものではない。」
という事を周知させて(明記して)実行するのが後々トラブルがないでしょう
まとめ:会社のリスクを守りつつ、賢く従業員へ還元しよう!
今回は「基本給を上げずに賃上げする方法」について解説しました。
- 基本給の引き上げ(ベア)は固定費化のリスクが高いため慎重に行う
- 寸志や一時金を活用した賃上げ対応は法的に全く問題ない
- ただし「毎月支給」になると歩合給とみなされ残業代計算が必要になる点に注意!
- 就業規則に「業績等による不支給条項」をしっかり明記して安全に運用する
無理なベースアップをして会社を危機に晒すよりも、業績や成果に応じた柔軟な「寸志・一時金」で還元する方が、結果として従業員の雇用を長く守ることにもつながります。
近年は家賃補助などの方法も注目されていますが、それも支払い義務が生じますし金額のコントロールもしにくいです。
自社の状況に合わせたベストな還元方法を、ぜひ検討してみてくださいね!
それでは、また次回!ムッシュでした!
※これらの方法はあくまで私見であり、当方は一切の責任は負いません。専門家や関係機関などに確認を推奨いたします


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